パンとバラとモモ

こころも飢える、からだのように。パンをくれ。そしてバラをも。

――Oppenheim, James.(1911). ‘Bread and Roses’.

Twitterのプロフに“Bread, Roses and Peaches for all!”と書いてるのを、「どういう意味?」とたまに聞かれる。「パンとバラ」は女性参政権運動のスローガンに由来する。

パンとは、すなわち家、屋根、そして安全。人生のバラとは、つまり音楽、教育、自然そして書物。彼女たち[女性]が票を、声を持つ政府は、生まれ来るすべての子どもたちにパンとバラが与えられる国へと一歩近づいているだろう。「パンを皆に!そしてバラも!」が達成された日には、監獄も、絞首台も、工場で働く子どもたちも、路上でパンのために働く女の子も、いない。

――Todd, Helen. (1910). ‘Getting Out the Vote’. The American Magazine. p.619.

わたしはクィアなアナキストだから、サフラジェット運動にも色々問題があるという認識はあるのだけど(これはそのうち書くかもしれない)、「パンとバラを!」というスローガン自体の言っていることには賛成する。すべての人がパンとバラを手に入れられる社会を。

日々のパンを。すべての人へ健康でバランス良く、エシカルな食事を。医療を。安全で落ち着ける家を。安全を。日々のバラを。「バラのようなもの」ではなくて、バラを。議席ではなくて、バラを。すべての人へ教育を。芸術を。自由と尊厳を。幸せを。(これらは対立するものではないし、どちらかが欠ければもう一方も不足する。)

モモは、ぱん@feministpaoちゃんとの会話の中で挙がってきた。わたしの解釈がぱんちゃんの解釈と一致しているかはわからないけど、「ちょっぴりの贅沢」と理解してる。正確には、ちょっぴりの贅沢が出来る金銭的、物質的な余裕。たまにはおいしいモモを買う余裕を、すべての人へ。

だから、Bread, Roses and Peaches for all! パンとバラとモモの略取を。

※引用は、筆者訳

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