無題

愛してほしいと思った夜は終わり、どうせ一人で死ぬと知る朝が始まる。それでもそれがさみしいのは、きっと夜をこいねがう自分がいるからなのだろう。

 

世界が終わるとしても、終わるその日まで、毎日は続く。ただそれだけの事実が、陰鬱な朝焼けを一層明るくする。生乾きの下着についた匂いのように、隠せども、隠せども、私の身体を逃がさない。

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